犯罪歴と帰化
帰化(日本国籍取得)するには国籍法第5条に規定されている要件をクリアする必要があります。
犯罪歴があるとどのような要件をクリアすることができないのかを確認する為にまず、帰化の要件について
確認したいとおもいます。
国籍法第5条の帰化の要件
①住居要件 引続き5年以上日本に住所が有ること
②能力要件 日本と本国両方で成人年齢に達していること
③素行要件 素行が善良であること
④生計要件 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること
⑤重国籍防止要件 国籍を有せず、又は国籍の取得によってその国籍を失うべきこと
⑥思想要件 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと
犯罪歴と素行要件
犯罪歴が帰化の要件に影響をするのは、③の素行要件です。
帰化の要件の中でも抽象的でわかりにくいのが素行要件です。
また帰化申請においては素行要件に抵触する方が少なくないことが特徴でもあります。
どのような犯罪が帰化申請に影響する?
例えばスーパーでの万引き(窃盗)で店側に見つかったとします。
十分に反省していたので警察には連絡されずに済んだような場合には前科にはなりませんので帰化には影響しません。
ですが、警察が来て逮捕され、禁固以上の刑を言い渡された場合は、その刑が終わってから10年間は帰化が難しくなります。
また警察が来て逮捕されなかった場合でも在宅起訴されて罰金や禁固などの処分があった場合も同様です。
執行猶予付きの有罪判決が言い渡された場合には執行猶予期間中は帰化が許可されません。帰化が許可される可能性があるとすれば、執行猶予の期間を経過してから更に執行猶予期間の2倍の期間の経過を待って帰化申請をする必要があります。
まとめ
犯罪を犯してしまったら帰化申請ができない訳ではありませんが、禁固以上の刑を受けた場合にはその刑が終わってから帰化申請をすることで帰化が許可される可能性があります。
執行猶予付きの有罪判決が言い渡された場合には執行猶予の期間を経過してから更に執行猶予期間の2倍の期間の経過を待って帰化申請をすることで帰化が許可される可能性があります。
ちなみに許可の可能性があると書いているのは、上記期間が経過することで必ず帰化が許可されるということではなく、申請人それぞれの事情を勘案して審査を受ける為です。
また、帰化申請が受理された後に犯罪を犯してしまった場合にもすぐに法務局に報告するようにしましょう。