留学ビザから配偶者ビザへ変更の注意点

記事作成者行政書士西田直之
留学ビザから日本人の配偶者ビザへの変更の注意点

留学ビザを有する外国人が日本人と結婚した場合、配偶者ビザに変更(切り替え)することができます。在学中であっても配偶者ビザに変更することで就労に制限がなくなり、学校に通いながらでも自由に仕事ができるため生計を安定させやすくなるメリットがあります。本記事では留学生と結婚した方や留学生に活用していただける内容を記載しました。
留学ビザから配偶者ビザに変更する手続きとは
留学ビザから配偶者ビザへ変更(切り替え)をするには住居地を管轄する出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請を行います。この申請では一定の審査があり、許可されると配偶者ビザをもらうことができます。
留学ビザから配偶者ビザに変更(切り替え)をする場合に審査の方が重視するポイントがあるので紹介します。
留学ビザから配偶者ビザに変更するための手続きの流れ

留学ビザから配偶者ビザへの変更の流れ
結婚手続き
まずは結婚を成立させることを要します。結婚は日本及び外国人それぞれの国で成立させることを要します。
在留資格変更許可申請
留学ビザから配偶者ビザに変更する為には住居地を管轄する地方出入国在留管理局に「在留資格変更許可申請」を行います。
結果通知の受け取り
在留資格変更許可申請を提出してから1~3ヶ月後に結果を通知するハガキが郵送されます。ハガキには「許可」や「不許可」とは記載されていませんが、ハガキに記載された案内のとおりの持ち物をもって出入国在留管理局に出頭します。

在留カードの受け取り
出入国在留管理局に出頭し、結果が許可であった場合は新しい在留カードが交付されます。これで留学ビザから配偶者ビザへの変更が完了です。
手続き開始のタイミング
上記の手続きは在学中いつでも開始することができ、在学中に婚姻届を提出し、配偶者ビザの変更許可まで完了させることができます。
このタイミングで配偶者ビザへの変更申請をする場合のポイントは、在学中になぜ配偶者ビザに変更するのか、今変更したい理由を詳しく説明することです。こうすることでビザ目的の結婚ではないことを審査の方に伝えることができます。更に留学生の卒業見込み証明書を提出することができる場合はプラスに働きます。
配偶者ビザへの変更申請の審査では実体上の夫婦関係の有無が重視され、同居していない場合は原則許可が出ません。配偶者ビザの申請には住民票の提出が必要になります。そのため、あらかじめ転居の手続きを済ませてから住民票を取得します。
留学ビザから配偶者ビザへの在留資格変更申請の注意点
留学ビザから配偶者ビザへの変更を申請すると、留学ビザでの在留状況についても審査されます。これから説明する内容に該当していると素行が不良だと判断されて配偶者ビザの審査に影響を及ぼす可能性があります。
成績・出席率
留学ビザから配偶者ビザへの在留資格変更許可申請では学校での成績や出席率も審査対象になります。成績が悪い場合や出席率が悪く、卒業の見込みがない場合は審査にマイナスに働く可能性があります。
中退・退学処分
留学ビザを有する外国人が学校を辞めると、留学ビザの活動内容に該当しなくなり、学校を辞めてから3カ月経過するとビザの取消対象になります。よって日本人と結婚した外国人が中退や退学となった場合は速やかに配偶者ビザへの変更を推奨します。
留学生がアルバイトをする場合は資格外活動許可が必要
留学ビザで活動する留学生は資格外活動許可を取ればアルバイトをすることができますが、決められた範囲内での就業に限られます。資格外活動違反をすると刑事罰が科され、出国命令や強制退去の可能性もあります。また留学ビザから配偶者ビザへの変更も難しくなります。

資格外活動許可は2種類あり、包括許可と個別許可に分かれます。一般的なレジ打ち等のアルバイトは包括許可になります。包括許可の範囲外の活動を行う場合は個別許可を受ける必要があるので注意が必要です。
オーバーワークに注意
資格外活動許可を取得してアルバイトをする留学生がうっかり気づかずにしてしまいがちなのがオーバーワークです。留学ビザから配偶者ビザへの変更許可を申請した際にもオーバーワークについてチェックされます。
長期休業期間以外は1週で28時間以内
夏休み等の長期休業期間内は1日に8時間かつ週に40時間のアルバイトができます。
入管はなぜオーバーワークしている事がわかるのですか?
住民税の課税証明書や源泉徴収票を提出します。そこに記載されている収入額が明らかに週に28時間のアルバイトでは稼ぐことができない金額であった場合にオーバーワークに疑義を抱かれます。
1445円×28時間=40460円(1週間の給料)
40460円×4週間=161840円(1ケ月の給料)
161840円×12ケ月=1942080円(1年間の給料)
最近は最低賃金が上昇していますが、年収160万円を超えたくらいから入管から説明を求められることがあります。
ということはまじめに週28時間以内で働いていたとしても収入が多い場合はオーバーワークの疑義を抱かれることがあることに留意して配偶者ビザへの変更申請をする必要があるということです。
専門知識やスキルを要するような仕事で賃金が高く設定されている場合、このようなことが起こり得ます。
住民税の課税証明書の提出は不要なのでは?
出入国在留管理庁のサイトに在留資格変更許可申請の提出書類が掲載されており下記のように記載されています。
申請人の滞在費用を支弁する方の直近1年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書
したがって日本人側が滞在費を支弁する場合は日本人の課税証明書や納税証明書のみ提出し、留学ビザの外国人は提出が必須ではありません。ところが留学ビザから配偶者ビザへの変更申請では審査中に課税証明書の追加提出を求められることがあります。
留学ビザから配偶者ビザへの変更をご希望でしたが、月収が30万円から50万円程あったためオーバーワークに疑義を抱かれる可能性がある案件でした。実際には資格外活動許可の範囲内での就業で、オーバーワークはしていませんが、ご本人は専門スキルを有しているため、このような報酬の金額になっています。ご本人の就学状況は良好で成績、出席率共に良好で配偶者ビザに変更後もこのまま通学のご意向でした。
そこで、就業時間や仕事の内容を詳細に説明する資料を提出し申請したところ追加で資料提出を求められることなく無事に許可をもらうことができました。
留学生は風俗営業のお店で働くことができない
資格外活動許可を取得していたとしても違法な店舗でアルバイトしたり、風俗関係の業務に就くことはできません。パチンコ店やゲームセンターでの業務も風俗関係とされますので注意が必要です。
風俗営業とは
客に飲食、遊興をさせて接待をする営業や設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業を言います。
・キャバレー,カフェ,ナイトクラブ,ダンスホール,客の接待をして客に飲食をさせるバー,マージャン屋,パチンコ屋,ゲーム機設置業,個室付き浴場業,個室マッサージなど。
・スナック,パブ,喫茶店,レストランなど客に飲食させる営業で接客するホステスがいる・照明が暗い・狭くて他から見通すことが困難な場所。
資格外活動違反してしまったら
留学生が配偶者ビザに変更する場合に資格外活動違反の経歴があると不許可になる可能性が非常に高くなります。資格外活動違反で留学ビザから配偶者ビザへの変更が不許可になった場合には、再申請をしたとしても許可をもらうことが困難です。
その際は一旦出国して在留資格認定証明書交付申請をして新規で入国する方法も検討します。
在留状況が悪い場合の配偶者ビザ申請のポイント
次のような状況で配偶者ビザへの申請をする場合「配偶者ビザを目的とした偽装結婚ではないか?」という疑念を抱かれやすくなります。
- 成績や出席率が低いと留学ビザの更新ができない
- 中退、退学になったので日本に在留できなくなった
このような状況下で配偶者ビザを申請する場合は真実の結婚であることを立証する資料を多く準備し申請すべきです。
また、上記のような状況になる以前より交際をしており、いずれにしても結婚を考えていた場合には審査に有利に働く可能性があります。出会いのきっかけや結婚するまでの交際状況を詳しく説明しましょう。
立証方法
偽装結婚ではなく真実の結婚であることを立証する方法は状況により異なりますが、代表的な方法をいくつか紹介します。
スナップ写真
真実の結婚であることを立証するための方法のひとつにスナップ写真があります。主にお二人で撮影した写真を提出しますが、親族や友人等、お二人以外と撮影した写真があると、信ぴょう性がぐっと高まります。
SNS記録
LINE等のメッセージアプリでの会話をスクリーンショットしたものを提出します。出会ってから現在までのメッセージ記録を満遍なく選びます。「結婚についてどう考えているか」について言及しているメッセージがあれば、積極的に選ぶと効果的です。
その他
留学ビザから配偶者ビザへの変更申請では「結婚に至った経緯」を聞かれます。これは質問書や任意の文書を作成して提出します。これらの資料は入管の審査では重視されますのできちんと作成しなければいけません。
生計について
留学ビザから配偶者ビザへの在留資格変更許可申請は日本での経済的生活基盤について審査されます。
安定した収入はありますか?
留学生が同じ学校に通う日本人と結婚して配偶者ビザに変更しようという場合には、学生ということもあり、収入が安定していないケースが多くなります。配偶者ビザへの変更が許可されるには安定した生活を送ることができることを求められます。夫婦の収入が安定していない場合にはご両親の援助を受ける等によって生計に問題が無いことを立証する必要があります。
心当たりがある方へ
上記内容に該当する場合に留学ビザから配偶者ビザへの在留資格変更許可申請をして、1度不許可になってしまった場合には、再申請時の審査は厳しくなりますので許可をもらうことがかなり難しくなります。また、再申請をすることすらできない場合もあります。まずは1回の申請で許可をもらうことができるように、留学ビザから配偶者ビザへの変更でご心配のある方は経験豊富な専門家に依頼されることをおすすめします。当事務所におきましてもお客様にとって最善の方法をご提案することができます。また不許可になった案件のリカバリーにも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
卒業後も留学ビザの在留期間満了までは滞在できる?
留学ビザで在留する外国人は学校を卒業したとしても在留期間の満了日までは日本に滞在することができます。ただし卒業後は留学ビザの活動に該当しなくなるため正当な理由なく3ヶ月経過すると在留期間が残っていたとしても在留資格の取消し対象となるので注意が必要です。
学校を卒業後に配偶者ビザへの変更は在留期間の満了日までに申請をすることを要します。1日でも在留期間を超えると不法滞在になります。
配偶者ビザへの変更を申請後、審査中に在留期限が切れると不法滞在ですか?
在留期間の満了日までに申請している場合は在留期間の特例が適用されるため在留期間の満了日から2ヶ月、または変更申請の処分の日のいずれか早い日までは適法に在留することができます。
配偶者ビザへの変更が不許可になった場合
留学から配偶者ビザへの変更申請が不許可になった場合には、1度だけ入管に理由を聴き取りに行くことができます。不許可の原因が解決可能な場合は再申請し、許可を貰える可能性が残されています。
また、不許可の通知を受け取った際に在留期間の満了日を超え、特例期間に入っている場合は出国準備のための特定活動にビザを切り替えるかどうか確認されます。特定活動(出国準備)は原則30日の在留期間ですが、特段の事情があるときは31日が付与されます。
- 申請人に原申請の申請内容について再度申請する意思
- 再申請がされた場合には、新たな資料の提出により原申請の不許可理由が払拭され、許可となる可能性が相当程度認められるとき
31日が付与された場合はその在留期間中に再申請をすれば再度特例期間が認められますので在留期間を越えたとしても特例期間中は日本に滞在することができます。
このように不許可の通知を受けとってから理由の聴き取り、再申請までのプロセスは今後の在留に大きく影響します。ご不安の場合はビザに詳しい行政書士に相談し、入管に同行を依頼すると安心です。
留学から配偶者ビザに変更 まとめ
留学から配偶者ビザへの変更はケースによってはとても難しくなります。たとえ真面目に学業に専念していたとしても、知らず知らずのうちにオーバーワークをしていることも少なくありません。申請前の準備を慎重に行って配偶者ビザへの変更を申請しましょう。
当行政書士事務所にできることは
お客様から状況をお伺いして、許可が可能かどうか判断いたします。お客様が上記のような状況にある場合であっても個々の状況によってそれぞれ対処方法が違ってきますので、悩んだらまずはお問合せください。お客様が配偶者ビザを取得できるように誠心誠意サポートすることをお約束します。

留学ビザ→配偶者ビザのまとめ
・アルバイトは適法にしているか再確認
・出席率・成績も審査に影響
・生計は安定していますか
・結婚の信ぴょう性を手厚く立証
・1度の申請で許可をもらうことが大事







