短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更

本記事は「通常の手続きをしていると希望している日に入国が間に合わない」、「日本で結婚手続きをするために来日していて、帰国せずにそのまま日本で結婚生活を始めたい」このような事情で短期滞在ビザから配偶者ビザへ変更したい方に参考にしていただきたい内容になっています。
配偶者ビザへの変更をする場合のポイントや配偶者ビザへの変更許可申請書の書き方を記入例付きで紹介しておりますのでぜひ最後までご覧ください。
短期滞在ビザとは
短期滞在ビザとは観光や親族の訪問、見学、講習又は会合への参加等で短期に滞在する目的の方のための在留資格です。多くの方が旅行を目的して来日することから「観光ビザ」と呼ばれることもあります。短期滞在(観光)ビザは査証免除国の方が入国する場合は予め査証の発給を受けることなく入国が可能となっています。
短期滞在から配偶者ビザへの変更は原則認められない
出入国在留管理局では短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更申請は原則認められておらず、やむを得ない特別の事情がある場合に限って許可をします。
短期滞在の在留資格をもって在留する者の申請については、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとする。
やむを得ない特別の事情とは
短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更が認められる可能性がある「やむを得ない特別な事情」とは下記のようなケースが該当します。
・結婚の存在や成立を理由としているとき
・在留中に在留資格認定証明書が交付されたとき
・入国後の事故・病気・出産等の人道上やむを得ない事由があるとき
これらの理由をを申請受付前に説明してやむを得ない事情であることが認められれば配偶者ビザへの申請が受理されます。弊所では申請受付時に短期滞在から配偶者ビザへの変更理由書を添付しています。

短期滞在から配偶者ビザへの変更は難しい??
短期滞在から配偶者ビザへの変更申請はこれまで結婚等の身分関係に基づく理由がある場合は比較的スムーズに受付けがされていました。しかし近年はこれまでに比べて厳しくなってきていると実務を通じて感じております。これは、短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更を希望する方があまりにも多いため、本来の「在留資格認定証明書交付→査証発給」という形式が空洞化することを防ぎたい意図があるのかと考えられます。したがって、短期滞在ビザから配偶者ビザへ変更する場合にはきちんとした理由を詳細に説明することを要します。
短期滞在ビザが虚偽申請と捉えられる可能性
査証免除ではなく、日本に渡航する前に在外公館(日本大使・領事館)で短期滞在査証の発給を受けて来日した場合は滞在予定表や日本滞在や帰国をすることができるだけの資産を証明する資料を提出しているはずです。そのうえで配偶者ビザへの変更をする際の理由が単に「一度帰国し、再来日する渡航費用を節約したい」「帰国する予定が無くなった」等といった場合は、短期滞在の査証発給申請が虚偽であったと捉えられる可能性もあります。
審査が厳しくなることも
通常であれば「在留資格認定証明書交付→査証発給」の順序を経て入国するところを「査証発給」を飛ばすことなり、在外公館での審査がされないことを考慮され、出入国在留管理局での審査が更に厳しくされます。提出資料の内容に曖昧な部分があると追加で理由の説明を求められ、きちんと説明できない場合は不許可になることもあります。
短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更をお考えの方へ
弊所ではこれまでたくさんの短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更をご希望の方のサポートを行ってきました。在留期間の制約がある状況下で無事に許可を受けるためには、素早い方向性の判断と正確な資料を作成し申請することが求められます。これまでの経験を元にお客様の状況での拒否を判断し、必要な資料を作成し入国管理局へ提出し、配偶者ビザの在留カードをお受け取りするまでをサポートいたします。
まずはお問い合わせフォームよりご連絡ください。メールは即日返信いたします。
短期滞在ビザからの変更申請はオンライン申請をすることができないため、対応地域は大阪、兵庫、奈良、京都、和歌山とさせて頂いております。
短期滞在ビザの在留期間は90日が必要な理由


短期滞在ビザの在留期間は30日、90日もしくは15日以内とされています。30日や15日以内である場合は在配偶者ビザへの変更許可申請を提出したとしても留期間の満了日までに結果が出る可能性は限りなく低く、審査中であっても在留期間満了日までに出国を要します。
対して90日の場合は特例期間が適用されます。特例期間とは31日以上のビザを有する方が在留資格の変更や更新の申請を行い、在留期間の満了までに結果が出なかったとしても在留期間の満了日から更に2ヶ月間、又は結果が出るまでは引き続き日本に在留することができる期間をいいます。
したがって短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更をする場合は必ず90日のビザで来日するようにしてください。査証免除国の多くが90日の在留期間となっていますが、15日や30日となる国があります。その際は在外公館の査証発給申請で90日がもらえるように申請することを要します。
短期滞在→配偶者ビザへの変更のメリットとデメリット
短期滞在から配偶者ビザへの変更のメリットは本国に戻らなくて良いことで、時間と費用を節約することができるところです。しかし、デメリットやリスクもありますので、これらをあらかじめ理解したうえで配偶者ビザへの変更の準備をされることをおすすめします。
短期滞在から配偶者ビザへの変更デメリット
・必ず申請が受理されるとは限りません。
・変更申請中であっても短期滞在ビザの在留期間が満了(特例期間内は在留可能)すると帰国しなくてはいけない。
短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更申請書の書き方・記入例
在留資格変更許可申請書は全部で3枚あります。
2枚目~3枚目は通常の申請と変わりませんので、「在留資格変更許可申請書の書き方・記入例」をご覧ください。
書き方の解説
ここでは短期滞在から配偶者ビザへの変更申請を記入する際、特に通常時の書き方と異なる欄に絞って解説します。

11.現に有する在留資格
「短期滞在」と記入します。
12.在留期間
現在お持ちの短期滞在ビザの在留期間を記入します。
短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更でのよくある質問
- タイからノービザ(査証免除)で来日して婚姻手続きをする予定です。その後配偶者ビザへの変更はできますか?
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短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更は原則できませんが、やむを得ない特別な事情が有ることが確認されれば変更できる可能性があります。
タイはビザ免除国ですのでノービザで来日可能ですが、その場合には「15日」の在留期間が付与されます。
「15日」で配偶者ビザの変更許可申請から許可を受けるのは現実的に厳しい為、短期滞在ビザ「90日」の発給を受けられることを推奨いたします。 - 既に婚姻しています。夫婦で中国で生活していましたが、夫が帰任する為に短期滞在ビザ「90日」で夫と一緒に来日し、現在新居の準備をしています。当初予定していたよりも早く準備が整いましたので、帰国せずに配偶者ビザへの変更をすることは可能でしょうか?
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短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更は原則できませんが、お客様のケースはやむを得ない事情が有ると認められる可能性が有りますので、トライしてみても良いでしょう。
弊所での成功事例
弊所では短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更について多くのご相談を頂いてきました。弊所での成功例の一部をご紹介します。
短期滞在ビザで来日→COEの交付→配偶者ビザへの変更
- 年齢差10歳以上
- お互いの会話が挨拶程度
- 課税証明書の収入額が150万円以下
在留資格認定証明書交付申請を提出してから認定書が交付されるまでの期間:約1カ月
1日でも早く配偶者を日本に招へいしたいというご希望により短期滞在ビザで来日されました。外国人配偶者の方が来日する前に在留資格認定証明書交付申請を行っており、短期滞在ビザで日本滞在中に在留資格認定証明書が交付されるように依頼者様とは入念に来日や在留資格認定証明書交付申請のタイミングを打ち合わせしながら計画をすすめました。外国人配偶者が短期滞在ビザで来日し、日本に滞在中に在留資格認定証明書が交付されたので、すぐに入管に短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更申請を行い、即日変更が許可され、在留カードを受け取ることができました。
短期滞在ビザで来日→配偶者ビザへの変更
- ビザ免除国から既に来日済み
- 外国人配偶者は海外企業からの収入有り(リモートワーク)
在留資格変更許可申請を提出してから結果が通知されるまでの期間:約2週間
奥様のご出産が近いということで短期滞在ビザでご来日されました。申請人は海外企業に所属しておられました。配偶者ビザ取得後はリモートワークで仕事を継続されるとのことでしたので、海外からの収入を証明する書類をいくつかご提案し、収集していただきました。海外からの収入を証明する書類は複数枚あり、日本語への翻訳をどの程度行えば良いのかを案内させていただきました。結果、在留期間3年の配偶者ビザが交付されました。
私ども行政書士事務所にできること
短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更は、本国へ帰らずに配偶者ビザを取得することができるので便利ですが、リスクもありますので事前計画を練ってから実行することが大切です。また方法を誤ると本国に帰らなければいけなくなるといった事も現実に起こります。絶対に失敗したくないという方は専門家のサポートを受けられると安心です。

