配偶者ビザが不許可になりやすいケースと対処法
配偶者ビザが不許可になりやすい主なケースは2つあります。1つは「偽装結婚の疑いがある場合」、もうひとつは「生計維持能力が乏しい場合」です。
本記事ではどのような場合に上記の不許可になりやすいケースに該当するのかを具体的な事例を挙げて解説します。
この記事は行政書士西田直之が作成しました。
配偶者ビザの申請が不許可になりやすい事例とその対処方法
配偶者ビザの申請をした際に不許可になりやすいのが「結婚の信ぴょう性」に疑義がある場合や「生計維持能力」が立証できないときです。
生計維持能力が乏しいと評価を受け不許可になる事例
- 収入が少ない又は無職
- 住民税に未納がある
結婚の真実性が認められず不許可になる事例
- 別居している
- 同居する住居の問題
- 結婚相談所で知り合った
- 出会い系サイトやSNSで知り合った
- 水商売、パブ等のお店で知り合った
- 年齢差が大きい
- 離婚を繰り返している
- 交際期間が極端に短い
- 言葉による意思疎通がほとんどできない
- 学校を退学してから配偶者ビザへの変更
- 立証資料が無い
どのような状況が不許可になりやすいのか、具体的な事例を挙げて解説いたします。
別居している
外国人配偶者が海外にいる場合の在留資格認定証明書交付申請ではお互いがそれぞれ日本と海外で居住しているので別居の状態での申請となりますが、外国人が日本にいる場合の在留資格変更や更新申請の許可は同居していることが大前提となり、合理的な理由なく別居している場合には不許可になります。
出入国在留管理庁の審査要領
法律上の婚姻関係が成立していても、同居し、互いに協力し、扶助しあって社会通念上の夫婦の共同生活を営むという婚姻の実体を伴っていない場合には、日本人の配偶者としての活動を行うものとはいえず、在留資格該当性は認められない
ただし「婚姻概念が多様化し、同居の有無は婚姻関係に実体があるかを判断する一要素」とし、週末だけ同居していた夫婦の在留資格変更の不許可を取り消した裁判例もあり、別居状態であることのみをもって不許可にせず、判断の一要素として柔軟に審査されると考えられます。
同居していない
在留資格更新許可申請の際に夫婦が同居していない場合は別居の経緯、期間、別居中の夫婦の関係、お互いの往来があるかどうか、生活費の扶助・協力関係があるかを入管に説明を要します。この説明内容に合理性が無い場合は、さらに婚姻関係の修復の可能性や婚姻関係を維持、修復する意思があるのかを審査され、処分が決定されます。
このように別居しているという事実のみをもって不許可とはされませんが、許可をもらうためには別居していることの合理的な事情があって、状況をきちんと説明することが重要となります。
同居する住居の問題
夫婦で生活する住居が単身用の賃貸物件のような狭いスペースである場合には、同居しないのではないか。つまり偽装結婚の疑義を持たれ、不許可になる可能性があります。
また、賃貸住宅のに家主の同意を得ずに外国人パートナーと同居を始めている場合も注意が必要です。以前に出入国在留管理局より賃貸契約書を求められ、そこに外国人パートナーが同居者として記載されていないことによって審査の方より指摘を受けたことがあります。
結婚相談所で知り合った

多くの結婚相談所は誠実に運営されていますが、中には過去に偽装結婚の斡旋し摘発された業者もあることが事実です。また、結婚相談所は健全に運営されていても偽装結婚が目的で入会する方もおられます。
結婚相談所を介した出会いが偽装結婚につながることがあるということを出入国在留管理局側も把握しているため、審査が厳しくなる傾向にあります。
配偶者ビザの必要書類の中に質問書というものがあります。質問書の中で紹介者について記入する箇所があり、そこには結婚相談所の情報も記入を求められます。もしも、出入国在留管理局が把握している偽装結婚を斡旋したことがある業者を利用していたとすると配偶者ビザの審査が非常に厳しくなります。
出会い系サイトやSNSで知り合った
この出会い系サイトやマッチングアプリで知り合ったカップルが結婚に至ることは、今や珍しいことではなくなりました。ですので出会い系サイトで知り合ったことのみをもって不許可になる可能性は低いです。しかしながら、出会い系サイトやマッチングアプリを使えば手軽にたくさんの人と知り合うことができることによって、偽装結婚に利用されることもあります。また、偽装結婚では比較的短い期間で結婚に至るケースも多く、出会い系サイトで知り合ったことに加えて他の偽装結婚を疑われる事由がいくつか重複すると審査は厳しくなると思っておいたほうが良いでしょう。
水商売、パブ等のお店で知り合った
外国人パブや水商売で働く外国人との国際結婚で配偶者ビザの申請をすると審査が厳しくなる可能性があります。
こういった店で合法的に就業することができる外国人は限られており、不法就労をする外国人が後を絶ちません。
店舗自体が無許可で営業しているケースもあります。配偶者ビザの審査では素行も審査されますので、不法就労をしていると配偶者ビザの許可が難しくなります。
また、水商売系のお店で働いている外国人との結婚でも偽装結婚が多く、結婚の信ぴょう性について厳しく審査をされる可能性があります。
年齢差が大きい
日本では同世代同士の婚姻が一般的ですが、統計によると偽装結婚では年齢差が大きいことが多いということもあり、年齢差が10歳を超えてくると配偶者ビザの審査は厳しくなる傾向にあります。またその年齢差が大きければ大きいほど厳しくなります。
そこで、知り合ったきっかけ、どのような交際をしていたのか、具体的にはデートに行った場所、共通の趣味など、結婚することになった経緯や理由、そして現在の生活状況をお互いにしかわからない内容をたくさん盛り込んで、その裏付け資料を提出して結婚の信ぴょう性説明していくことになります。
離婚を繰り返している
日本人配偶者と外国人が離婚を繰返している、または外国人が日本人と離婚を繰返している場合は入管に偽装結婚を疑われます。偽装結婚がばれそうになって離婚し、また別の日本人と偽装結婚を繰返すパターンや、偽装結婚で報酬を受取る日本人が離婚を繰返しているのではないかと疑義を持たれ不許可になることがあります。
交際期間が極端に短い
偽装結婚では知り合ってから結婚までの時間が短い傾向にあり、交際期間が極端に短いケースも配偶者ビザの申請においては入管に偽装結婚の疑義を持たれます。
言葉による意思疎通がほとんどできない

結婚相手との意思の疎通ができるかどうかは配偶者ビザの申請に添付する書類の質問書で問われる内容であって、入管での審査においても重視されています。意思の疎通ができない上に短期間での結婚は現実的にはかなり難しいことだとおもいます。最初は言葉が通じなかったとしても一年ほどお付き合いしていればカタコトでも会話が成立してくるという流れが自然でしょう。
なお、日本人配偶者が外国人の母国語を話せる、もしくはお互いが使用することができる共通の言語がある等によって意志疎通ができる場合には配偶者ビザの審査では問題ありません。
留学生が学校を退学してから配偶者ビザへの変更
留学生が学校を辞めると、留学ビザに該当しなくなるため原則帰国を要します。そこで急いでビザ目的で偽装結婚しようとするケースを出入国在留管理局は警戒します。また、学校を辞めていなくても卒業の見込みが無いほど成績や出席率が不良な場合も同様に偽装結婚の疑義を抱かれ不許可になる可能性があります。
立証資料が無い
配偶者ビザの在留資格認定証明書交付申請や変更申請ではご夫婦の結婚に至るまでの経緯等、これまでの状況を詳しく説明することを要します。説明は文章で行いますが、記載した内容を裏付ける資料も併せて提出しなければいけません。
たとえばご夫婦が交際していたことがわかるスナップ写真も資料のひとつとなります。このスナップ写真をまったく撮ってこなかったような場合はたとえ真実の結婚であったとしても実際に会って交際していたことを立証する事ができないため不許可になる可能性が高まります。
収入が少ない又は無職
収入が少なく生計維持能力が乏しいと評価を受けた場合は不許可になります。特に無職の場合は注意が必要で、「貯金があるから通帳のコピーだけ提出すれば大丈夫だろう」と特に何も気にせずに申請して不許可になった方からのご相談をよく頂きます。
ご夫婦の結婚の信ぴょう性は完璧に立証できたとしても生計維持能力の立証ができない場合は容赦なく不許可になります。
住民税に未納がある
配偶者ビザの申請では住民税の納税証明書の提出を求められます。そこで、この納税証明書に未納がある場合は生計維持能力に問題があるとの評価を受け不許可になる可能性があります。
ここでいう未納とは納期を超えて滞納していることを指し、納期到来前の未納は問題ありません。
結婚の信ぴょう性に疑義を持たれる可能性がある場合の対処方法
結婚の信ぴょう性に疑義をもたれる状況にあったとしても、必ず配偶者ビザが不許可になるということはありません。偽装結婚が疑われる内容について、なぜ結婚に至ったかの理由と経緯を説明し、写真や通話履歴、メッセージ履歴等を用いて真実の結婚であることを立証することができれば配偶者ビザの許可を受けることができる可能性は十分にあります。
夫婦の収入が低い・無職の場合の対処法
出入国在留管理局の審査の方が知りたいのはご夫婦が「安定して生活する事ができるだけの収入資産を有するか」「将来的にも安定して暮らしていくことができる見込みがあるか」です。
夫婦の収入が低い場合の最善の対処方法としては安定した収入を得ることができる就職先を探すことですが、すぐに実現できない事情があるときは、ご両親の援助を受けられるかどうか、またご両親の援助をを受ける際にはご自身やご両親の収入・資産の立証が必要になります。
- 持家に住んでいる場合には毎月の生活費が抑えられるので有利です
- 十分な預金がある場合には審査に有利に働きます
- ご両親に身元保証人になってもらう
- ご両親と同居する
不許可にならないための心構え
配偶者ビザの申請準備をする際に、知り合いの配偶者ビザの経験者から「大丈夫、何の問題もなく許可がでたよ」とアドバイスを受けて楽観的になるのは良くないです。その知り合いの方とあなたの状況は全く異なります。できれば不許可になった方の情報を探してみてください。どのような時に不許可になるのか、事前に知っておくことで前もって対処することができます。
書類提出通知が来たら黄色信号と考えてください
配偶者ビザの審査中に出入国在留管理局から書類提出通知が届くことがあります。これは、提出した書類の内容だけでは審査の方が拒否を決定できない際に届く通知で、この後の対応方法によっては不許可になってしまう確率が高くなります。通知を無視して書類を提出しない場合はほぼ不許可になるとお考えください。
書類提出通知が届いたからといって必ず許可になるとは限りません。適切に対応すればじゅうぶんに許可が見込めます。求められてる追加資料の対処方法をパターン別に解説します。
〇〇について理由を説明してください。
この書類提出通知は多くの場合において、一般的には許可が難しいが、やむを得ない理由や合理的な理由がある場合には許可が得られるようなときに届きます。この理由を回答するには「審査の方が何を知りたいのか」を汲み取ることを要するため対応がとても難しくなります。
また、その理由を説明するだけでなく、その理由を立証する資料を提出しなければいけない場合があります。
そもそも合理的な理由が無いような場合は不許可になる可能性が高まります。
必要な書類の名称が記載されている
書類提出通知に必要な書類の名称が記載されていればその書類を準備してそのまま提出して問題ありません。
〇〇がわかる書類を提出してください。
この要求は具体的な書類の名称が書いていないため、自身で何が必要かを判断することになりますので対応が難しくなります。
不許可になりやすいケースは専門家に依頼すると安心
配偶者ビザの申請が不許可になり、再申請をした場合には最初の申請よりも更に厳しく審査が行われます。ですので1度の申請で許可をもらいたいところです。本記事でご紹介したような不許可になりやすい事情が有る方は行政書士等の専門家に依頼すると安心です。
また、行政書士の中でもビザを専門に扱う行政書士にご依頼されることを推奨します。ビザ専門行政書士は過去の事例より、お客様の状況に応じた対処方法を熟知していますので、どうすれば許可がもらえるのか概ね予想を立てて対処することができます。
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