【配偶者ビザ】偽装結婚でないことの立証方法

最終更新日:2026年9月5日

この記事は行政書士の西田直之が執筆・監修しています。詳細プロフィールはこちら

偽装結婚でないことを立証するための事前チェックリスト

  • □ 出会いから結婚までを時系列で説明できる
  • □ 交際中の日付の異なる写真が20枚以上残っている
  • □ 交際中のメッセージアプリのトーク履歴が全て残っている
  • □ お互いの両親が結婚を知っている

これらの資料が残っている場合は配偶者ビザ申請で偽装結婚でないことを立証しやすい方だと言えます。当事務所でご依頼をお受けした経験上、「スマホの買い替えでトーク履歴が消えた」方が少なくない印象です。

配偶者ビザと偽装結婚

配偶者ビザはご夫婦の結婚が真実であること、いわゆる偽装結婚ではないことについて申請者自らが立証してはじめて許可がもらえます。本記事では偽装結婚ではないことの立証方法と偽装結婚と疑われやすい代表的な例及びその対策について解説します。

配偶者ビザの基本解説はこちらをご覧ください。

偽装結婚が疑われやすいケース一覧

偽装結婚が疑われやすいケース対策
交際期間が極端に短い場合によっては更に交際履歴を積んでから申請
実際に会った回数が少ない少なくとも2回は会い、その際に写真を撮影
年齢差が大きい出会いや結婚に至った経緯を詳しく説明する
日本人配偶者が外国人との結婚と離婚を繰り返している
外国人配偶者が日本人との結婚と離婚を繰り返している
出会いや結婚に至った経緯を説明する
離婚に至った経緯を説明する
共通言語がないコミュニケーション方法を説明する
結婚紹介所を通じて知り合った状況により異なる
夫婦で撮影した写真がない再度会って写真撮影
別居している別居理由や交流状況を説明する

当事務所では過去に24歳差の方からのご依頼をいただき許可を受けたことがあります。このようにたとえ年齢差が大きくてもご夫婦の結びつきの強さを立証できれば許可をもらうことができます。

審査で偽装結婚が重視される理由

配偶者ビザは就労に制限が無いことに加えて、永住許可も一般的な外国人よりも早い段階で取得することができます。技術・人文知識・国際業務ビザのような一般的な就労ビザでは永住許可がもらえるまでに10年かかります。このように配偶者ビザは他の就労ビザよりも優遇されているため永住許可最短取得ツールとして悪用されることが頻発しているため偽装結婚に対する審査が厳しく行われています。

結婚までの過程も様々で、お互いにはじめから偽装結婚と分かっていて結婚する場合と、日本人側が偽装結婚に気づかないまま結婚し、後で騙されたことに気づく場合もあります。

審査はマイナスから始まる

出入国在留管理局もこうした偽装結婚が横行している現状について把握しており、配偶者ビザの審査項目の中でも重要視されています。

申請人が「私たち夫婦に偽装結婚なんてあり得ない」と思っていたとしても、審査の方は偽装結婚の疑いをもって書類を確認し、その提出された書類で結婚の真実性を確認することができなければ許可をもらうことができません。つまり偽装結婚でないことの立証責任は申請者側にあります。

審査の振り分け

出入国在留管理局は申請を受付けた場合は案件の状況によって(A)から(D)に振り分けされます。

(A)許可相当の案件
(B)慎重な審査を要する案件 
(C)明らかに不許可相当の案件 
(D)資料の追完了を要する案件

偽装結婚に疑義を持たれると(A)以外に振り分けられる可能性があり、審査期間が長引いたり、追加で資料提出を求められたりし、最悪の場合は不許可になります。

したがって偽装結婚が疑われるケースに当てはまるご夫婦が配偶者ビザの申請をする際には、できるだけ審査がスムーズに進むように積極的に偽装結婚の疑いを払拭する資料を提出することを要します。

実態調査

出入国在留管理局には実態調査部門が設置されており、提出された資料だけでは拒否の判断ができない場合には実態調査が行われます。実態調査は住居地や職場への訪問、電話や面接での聴き取り等によって行われます。私の経験上、「出入国在留管理局から電話があった」とご依頼者よりお伺いすることが少なからずございます。

行政書士のアドバイス

出入国在留管理庁の審査要領によると「十分な書面審査を実施し、【確認すべきは何なのか】を予め決定した上で、調査を実施することが重要である」と記載されています。

ここから読み取ることができるのは、書面審査で偽装結婚でないことが確認できれば実態調査までは不必要だということです。実態調査が実施されると審査が長引くことが見込まれます。スムーズな許可には適切な立証資料の提出が不可欠です。

配偶者ビザの審査における偽装結婚の判断材料

出入国在留管理局側は保有している過去の偽装結婚事案のデータから偽装結婚が多いケースを把握しており、申請人の状況がこれらのケースと類似している場合は厳しく審査が行われます。

配偶者ビザの審査は基本的には書面で行われます。審査官が提出資料を確認し、偽装結婚の疑いがある場合や、矛盾点がある場合には、その疑いを晴らす内容の提出資料が必要です。

また提出資料からの1つである「質問書」では申請人の交際経緯や家族についての質問対する回答を記入していきます。

質問書の記載内容によって偽装結婚に疑義が生じるかどうかの判断をされます。審査に不利になりそうな内容であっても絶対に嘘を書いてはいけません。

質問書とは

配偶者ビザを取得する際の在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請を申請する際の添付書類が出入国在留管理庁のサイトに公表されています。そこに必要書類として「質問書」が掲載されており、フォーマットをダウンロードすることができます。

参考:出入国在留管理庁

質問書内で偽装結婚の判断材料になる箇所

質問書の内容で偽装結婚の判断材料になる箇所について説明します。

その他の配偶者ビザが不許可になる理由はこちらをご覧ください。

同居者の有無

この箇所には同居者の氏名を記入します。外国人配偶者が既に日本にいる場合、原則は同居を求められ、同居していない場合には偽装結婚を疑われる可能性があります。

また家の大きさに対する同居者の人数が多い場合や、親族以外の方が同居者となっている場合には入管から疑念を抱かれる可能性があります。

自宅の間取り

質問書には自宅の「LDK」を記入する箇所があり、ワンルームなどの一人暮らし向けの住居の場合は「実際に同居するのか?」「偽装結婚だから同居しないのではないか?」といった疑義を抱かれる可能性があります。

もしワンルームで同居している場合は部屋の写真を提出し、ワンルームであっても同居が可能であることを明確にすることを要します。

結婚に至った経緯

結婚に至った経緯には「初めて知り合った時期」「場所」を記入し、結婚に至るまでの経緯を詳しく書くことを求められます。偽装結婚の場合には結婚に至るまでの期間が極端に短かったり、出会いのきっかけが不自然なことが多いため、結婚に至った経緯は偽装結婚かどうかを判断するのに非常に重要な項目です。

紹介者の有無について

配偶者ビザの質問書には紹介者の有無とその紹介者の情報を詳細に書く欄があります。ここに記入した紹介者が過去に偽装結婚に関係していた人物であったり、偽装結婚を斡旋していたような組織であった場合には審査が厳しくなされます。

ですが、真実の結婚をされた皆様はここにはありのままを書くようにしてください。

別紙理由書に詳細を記入するのがベター

質問書には結婚に至った経緯についての記入欄が設けられていますが、ほとんどの場合、出会ってから結婚までの詳しい経緯を書くにはスペースが不足します。そこで別紙に「理由書」として用紙を準備して結婚に至った経緯を記入します。

夫婦間の会話で使われている言語について

夫婦間の会話で使われている言語については単に外国人が日本語を話せるかどうかを聞いているのではなく、夫婦が実際に意思疎通をすることができるのかを確認しています。意思の疎通ができないのに結婚に至ることは現実的に困難であるため、言葉での意思疎通が難しい場合には偽装結婚を疑われる可能性が高くなります。外国人が日本語を話すことができなくても日本人が外国人の母国語や、お互いが話せる言語での意思疎通ができていれば問題ありません。

言葉による意思の疎通ができないと判断されると不許可になる可能性が高まります。お互いに意思の疎通が容易でない場合は「どのように意思の疎通をし、結婚に至ったのか」を詳しく説明する必要があります。また、現在真剣に日本語を学習しており、日本語の学校に通っている場合は、通学していることがわかる資料を提出することも有効です。

知り合いに通訳として付き添ってもらった場合は、通訳者についても詳しく説明することを要します。

結婚式(披露宴)について

結婚式(披露宴)を行ったかどうかも偽装結婚の判断材料となります。ただ、結婚式(披露宴)を行わないご夫婦も多くおられますので、結婚式(披露宴)を行っていないからといって即座に審査に不利になるということはありません。

結婚歴について

結婚歴がある方で下記に該当する場合には離婚の理由を詳細に説明することを要します。

  • 外国人側配偶者が日本人との離婚を1度だけでなく複数回繰り返している
  • 日本人側配偶者が外国人との離婚を1度だけでなく複数回繰り返している

このような場合には偽装結婚を目的として離婚を繰り返していると疑念を抱かれる可能性があるので、離婚の原因や経緯を詳しく説明することを要します。

出入国在留管理庁のサイトに掲載されている配偶者ビザの必要書類には「離婚を証する資料」は記載されていませんが、追加提出を求められる場合があります。

お互いの国への渡航回数

男女が真面目にお付き合いして結婚に至るまでにはほとんどの場合お互いの国に渡航して交流を深めるのではないでしょうか。また両親への挨拶をする機会もあることでしょう。まったく渡航せずに、もしくは極端な例では1度の渡航で結婚に至ったケースでは偽装結婚を疑われる可能性があります。

渡航回数はパスポートのスタンプを確認しながら正確に記入することを要します。

親族で今回のご結婚を知っている方

男女が結婚する時多くの場合、ご両親やご家族に報告するかとおもいます。偽装結婚の場合には両親や家族への報告を行わないケースが多いことから、入管の審査も厳しくなります。

質問書記載事項以外で審査が厳しくなる事例

質問書に記載した内容以外にも偽装結婚に疑義を持たれる可能性がある事例について解説します。

年齢差が大きい

年齢差が大きい場合は偽装結婚の疑義を持たれる可能性があります。おおむね20歳差になると審査が非常に厳しくなります。

交際期間が短い

「偽装結婚=できるだけ低コストで達成したい」という考えから、交際期間が短くなる傾向があります。私の経験上、半年以内に結婚したケースでは、交際の経緯を詳しく説明しています。

在留期限ギリギリの駆け込み婚

すでに日本に在留している外国人との結婚する場合で、現在のビザの更新が不許可になることが濃厚、もしくは既に不許可になった方が短期間の交際で在留期限ギリギリに結婚する場合は偽装結婚の疑義を抱かれる可能性が高まります。

交際中のスナップ写真やメッセージ履歴が無い

真面目に交際し、結婚に至った方のほどんどが交際中に撮影した写真をお持ちかと思います。しかし、写真を全く撮ってこなかった方や、携帯電話を買い替えた際に写真データがすべて無くなった方もおられます。

申請時にスナップ写真を提出しないと審査で偽装結婚に疑義を持たれ、写真を追加で求められます。どうしても交際中の写真が用意できない場合には新たに写真を撮影し提出したり、写真以外で交際中に会っていたことが立証できるような資料を用意します。

追加でスナップ写真の提出を求められることもあります

偽装結婚の疑義がある場合、申請書提出時にたくさんのスナップ写真を提出したとしても、追加でスナップ写真の提出を求められる場合があります。

申請から1カ月ほど経過し、そろそろ結果が出るかな?と考えている時に追加で写真を求められることもあります。この際に提出する写真は結果の決定に大きく影響しますので、審査官が要求する内容に沿った写真の提出を要します。

偽装結婚ではない事の立証方法

偽装結婚ではないことを立証するためには、基本的に「文書で説明」に加えて「文書の内容を立証する資料」を提出します。その理由は、文書に記載するだけでは信ぴょう性が薄いからです。

文書内に次の内容を記載した場合は立証資料を併せて提出することを推奨します。

証明したい事情立証資料
両親が結婚を知っている事両親と夫婦が一緒に撮影した写真
ビデオ通話のスクリーンショット
紹介者・通訳者がいた場合紹介者・通釈者と夫婦が一緒に撮影した写真
結婚式を挙げた結婚式の写真
日本語ができる日本語能力検定の合格証の写し
卒業証明書(日本語を専攻していた場合)
ワンルームに住んでいるお二人で生活できる空間があることがわかる自宅内の写真

よくある質問

配偶者が日本語を話せません。偽装結婚を疑われますか?

日本語が話すことができなくてもご夫婦共通の言語でコミュニケーションが取れていれば問題になりません。

写真ではなく動画のデータを提出することができますか?

動画データは審査に使用することができません。動画の場合は、再生画面のキャプチャ画像を提出すると効果的です。

妻(外国人)が今回で3回目の結婚です。許可がもらえますか?

日本のビザが目的で結婚を繰り返している可能性があるとして審査が厳しくなることが考えられます。過去の在留状況も考慮されますので、今回の申請がこれまでの在留申請の内容と食い違いが無いかどうか、確認し、前回の離婚の原因を説明することを推奨します。

またお二人の結びつきの強さを裏付ける写真等の資料をできるだけ多く準備することを要します。

行政書士にしだ事務所のサポート

弊所は出入国在留管理局への在留申請を専門に扱う行政書士事務所です。オンライン申請で全国の出入国在留管理局へ申請いたします。お客様とのやり取りもすべて遠隔で行い、ご来所していただくことは一切なく手続きを完結させることができます。

偽装結婚に疑義をもたれそうな案件であってもスムーズに許可されるようにサポートいたします。配偶者ビザに絶対失敗したくないという方、ぜひお問い合わせください。

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