配偶者ビザとは?

本記事は「配偶者ビザとは?」をテーマに配偶者ビザの基礎知識から取得方法をご紹介し、更に詳しい情報は各リンク先から深掘りして頂ける内容になっています。国際結婚をしてこれから日本で夫婦で暮らすご予定の方に有益な情報となっていますのでぜひご覧ください。
配偶者ビザとは在留資格「日本人の配偶者等」の通称です
配偶者ビザとは正式な名称ではなく、正式には在留資格「日本人の配偶者等」といいます。在留資格は「外国人が日本に合法的に在留するための資格」であり「出入国管理及び難民認定法」によって29種類が規定されています。参考:在留資格一覧表
配偶者ビザはその在留資格のうちの1つで、日本人や永住者と結婚した外国人が日本で暮らすために設けられた在留資格の通称で、結婚ビザと呼ばれることもあります。
- 日本人の配偶者等
- 永住者の配偶者等
また日本人と結婚した外国人だけでなく日本人の特別養子や日本人の子として出生した人も「日本人の配偶者等」の対象となります。
日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者
出典:出入国管理及び難民認定法 別表第二の下欄
こんな場合は配偶者ビザの対象外です
- 婚約者を日本に呼びたい
- 内縁の妻を日本に呼びたい
- 同性婚で日本に呼びたい
- 就労ビザで働く外国人の配偶者を日本に呼びたい
配偶者ビザ許可の条件とは
配偶者ビザが許可される主な条件です。
- 婚姻が成立していること
- 婚姻の実体があること
- 日本での生計維持能力があること
- 過去の在留状況
配偶者ビザの許可をもらうための前提として法律上結婚が成立していることを要します。また、日本で結婚が成立しているだけでなく、外国人配偶者の国籍国で結婚が成立していなければいけません。さらに法律上結婚結婚が成立している事に加えて実体上においても結婚の事実があることを要します。そして偽装結婚を疑われる状況にある場合には審査が厳しくなります。
- 実際に会った回数が少ない
- 出会ってから結婚までの期間が短い
- 年齢差が大きい
- 言語の理解が難しく、コミュニケーションに問題がある
- 離婚を繰り返している
- 水商売系のお店で知り合った
- 結婚相談所、SNSやマッチングアプリで知り合った
- 二人で撮った写真が無い
- お互いの両親や家族が結婚を知らない
- 別居している
配偶者ビザは法律上の結婚が成立しており、結婚の実体が伴っていたとしても日本で生計を維持することができる見込みが無い場合は許可されません。
さらに、外国人がこれまで日本に滞在していた場合にはその在留状況も審査されます。オーバーワーク等の不法就労、有している在留資格に該当した活動を行っていたか等について審査され、状況によっては不許可になることがあります。
婚姻の実体についての審査のポイント
日本で横行している配偶者ビザ目的の偽装結婚を未然に防ぐために、婚姻の実体の有無について厳しい確認がなされています。出入国在留管理局では夫婦に下記のような偽装結婚に疑義を抱かれる可能性が事情がある場合、慎重に審査が行われます。
生計維持能力についての審査ポイント
配偶者ビザの許可には日本で生活していくだけの生計維持能力を有することが条件となります。夫婦の収入が不安定かつ資産を有しない場合には配偶者ビザの許可をもらうことができません。
収入額が少ない場合は預金、その他の資産を有することを証明する資料を提出したり、ご両親の援助があることを説明することで許可がもらえることもあります。
両親の援助とは「もしご夫婦が経済的に何かあった場合は生活費を援助してもらう」ことです。
上記内容を入国管理局に説明し、両親に身元保証人となってもらい、身元保証人に安定した収入や資産があることを証明する資料を提出します。
また金銭面だけでなく、両親の住居に夫婦で同居する場合は家賃の支払いも不要になりますので審査に有利に働きます。
配偶者ビザは日本国籍がもらえる?
日本人と結婚し配偶者ビザを取得したことをもって日本国籍になることはありません。日本人と外国人が結婚すると日本人側の戸籍に婚姻の記載がされますが、日本国籍を取得したわけではありません。

配偶者ビザのメリットとは
配偶者ビザは他の在留資格と比較してもメリットが多い在留資格といえます。
- 就労に制限が無い
- 学歴や職歴に関係なく取得可能
- 学校に通うことができる

就労に制限が無い
外国人は有する在留資格で定められた範囲内の活動のみ行うことができ、ほとんどの在留資格に就労制限があります。対して配偶者ビザには就労制限が無く、スーパーでのレジ打ちのような単純労働や、会社経営も行うことができます。また転職にも制限がありません。
学歴や職歴に関係なく取得可能
日本の就労ビザの多くが学歴や職歴、資格や日本語能力を求められるのに対し、配偶者ビザはこれらの要件がありません。
永住権・帰化・配偶者ビザの違い
永住権には在留期間がありませんが、配偶者ビザには在留期間があり、在留期間が満了するたびに更新(延長)の申請が必要になります。
| 永住権 | 帰化 | 配偶者ビザ | |
| 在留期間 | なし | なし | 6ヶ月、1年、3年、5年 |
| 就労制限 | なし | なし | なし |
| 日本国籍取得 | しない | する | しない |
| 在留資格の取消し | あり | なし | あり |
| 退去強制 | あり | なし | あり |

配偶者ビザの取得方法とは

配偶者ビザとは日本人や永住者と結婚した外国人のための在留資格とご紹介しましたが、日本人や永住者と婚姻届けを提出して結婚が成立すると自動的に配偶者ビザがもらえるというわけではありません。配偶者ビザをもらうためには結婚手続きを済ませてから、出入国管理局へ申請をする必要があります。その申請方法は外国人が国内に居るのか、それとも外国に居るのかによって方法が異なります。
| 外国人配偶者が海外に居る場合 | 外国人配偶者が日本に居る場合 |
| ①在留資格認定証明書交付申請 | ①在留資格変更許可申請 |
| ②査証発給申請 | |
| ③入国 |
結婚相手が海外に居住している場合には「在留資格認定証明書交付申請」と「査証発給申請」、結婚相手が日本に居住している場合には「在留資格変更許可申請」を行います。
外国人配偶者に連れ子がいる場合は連れ子も日本に呼んで一緒に暮らすことができます。
配偶者ビザの申請はどこの出入国在留管理局に提出する?

在留資格変更許可申請や在留資格認定証明書交付申請は住居地を管轄する地方出入国在留管理局です。
関西の場合
| 提出先出入国在留管理局 | 住居地 |
|---|---|
| 大阪出入国在留管理局 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県 |
| 大津出張所 | 滋賀県、京都府 |
| 京都出張所 | 京都府、滋賀県 |
| 舞鶴港出張所 | 京都府、兵庫県 |
| 奈良出張所 | 奈良県、和歌山県 |
| 和歌山出張所 | 和歌山県、奈良県 |
在留資格認定証明書交付申請
在留資格認定証明書交付申請とは海外にいる外国人を新規に日本に呼び寄せるための手続きです。在留資格認定証明書交付申請を行い、問題なければ在留資格認定証明書が交付されます。在留資格認定証明書は英語で「Certificate of Eligibility」と表記されており省略して(COE)とも呼ばれています。

在留資格認定証明書が交付されたら海外の配偶者に送り、外国に設置されている在外公館(日本大使・領事館)にて査証発給申請を行い、査証が発給されると日本に渡航することができます。
在留資格認定証明書交付申請はだれがする?
配偶者ビザの「在留資格認定証明書交付申請」はほとんどの場合、外国人配偶者が海外にいる場合に申請するため、日本人配偶者が本人に代理して申請することが一般的です。
- 来日を希望する外国人本人
- 本邦に居住する外国人本人の親族
※在留資格認定証明書交付申請は海外からすることができません。
私たち申請取次行政書士は上記の方に代わって申請書類を入管に提出することができます。
夫婦で海外に居住している場合の配偶者ビザ申請方法
現在はオンラインで在留関係の手続きを行うことができるようになっていますが、海外からオンライン申請をすることができません。したがって在留資格認定証明書交付申請は日本から申請することが必須になります。

そこで問題になるのがご夫婦が共に海外に居住している場合です。日本人配偶者が先に帰国して在留資格認定証明書交付申請を提出することは可能ですが、ご夫婦で一緒に帰国を希望される場合には不便な方法です。こうした場合には日本の親族が代理するとスムーズに手続きを進めることができます。
審査期間
在留資格認定証明書交付申請の審査期間は1カ月~3カ月です。人口の多い都市部の出入国管理局へ申請した場合には2カ月以上かかることもありますが、地方の出入国管理局へ申請した場合はより早く結果が通知される傾向にあります。
不許可になった場合の再申請
在留資格認定証明書が不交付になった場合には、再申請を行うことが可能です。ただし、やみくもに再申請をしたところで、前回の申請が不許可になった理由を解消していなければ許可はされません。
在留資格認定証明書が不交付になった場合には出入国在留管理局で不許可になった理由を聴き取り、その理由を解消してから再申請を行うといった手順が必要です。
在留資格変更許可申請

在留資格変更許可申請とは既に日本に在留している外国人の在留資格(ビザ)を他のビザに切り替えるための申請手続きです。
結婚相手が既に日本で在留カードを持って暮らしている場合には、結婚手続き完了後に出入国在留管理庁に「在留資格変更許可申請」を申請を行い配偶者ビザに変更することができます。また、外国人が既に有効な在留資格を有している場合には配偶者ビザへの変更は必須ではありません。

在留資格によっては注意が必要なこともあります
配偶者ビザへの変更をする場合、現に有している在留資格によっては原則的に配偶者ビザへの変更が認められていないことがあります。また、これまでの在留状況が現に有する在留資格で行うことができる活動の以外の活動を行っているような場合は配偶者ビザへの変更が難しくなります。
申請書を出入国在留管理局に提出できる人
- 外国人本人
- 申請人本人の法定代理人
私たち申請取次行政書士は上記の方に代わって申請書類を出入国在留管理局に提出することができます。
日本人配偶者は法定代理人には該当しないため、代理で申請書を出入国在留管理局に提出することができません。
審査期間
配偶者ビザへの在留資格変更許可申請は、上述の在留資格認定証明書交付申請よりも早く結果が通知される傾向にあります。弊所の肌感覚では1カ月から2カ月で結果が通知されています。早い場合は2週間ほどで結果が通知されることもありました。
必要書類
配偶者ビザの在留資格認定証明書交付申請及び在留資格変更許可申請の必要書類です。
| 必要書類 | 在留資格認定証明書交付申請 | 在留資格変更許可申請 |
|---|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請書 在留資格認定証明書交付申請書の書き方 在留資格変更許可申請書の書き方・記載例 | ||
| 写真(申請書貼付用) 出入国在留管理庁:提出写真の規格 | ||
| 戸籍謄本 国際結婚した場合の戸籍 | ||
| 外国の機関発行の結婚証明書 配偶者ビザに必要な結婚証明書とは 外国の結婚証明書が取れない場合の対処法 | ||
| 日本での滞在費を証明する資料(住民税の課税証明書・納税証明書等) | ||
| 身元保証書 身元保証書の書き方 | ||
| 住民票 | ||
| 質問書 ※多くの場合、質問書に加えて結婚までの経緯を詳細に説明した理由書の提出を求められます。 質問書の書き方 理由書の書き方 | ||
| 夫婦間の交流が確認できる資料 スナップ写真の作成方法 SNSメッセージ記録の作成方法 | ||
| 返信用封筒 返信用封筒の作り方 | ||
| パスポートの提示 | ||
| 在留カードの提示 |
配偶者ビザ取得後の手続きとは

配偶者ビザを無事に取得し、日本で生活することができるようになってからも届出などの手続きが必要になります。また将来永住許可を受ける機会や本国に帰国することもあるかもしれません。そのような場合に必要となる手続きについて下記リンク先で解説します。
死別や離婚した場合
配偶者ビザを有する外国人が離婚や死別した場合には、「日本人の配偶者等」の在留資格に該当しなくなります。引き続き日本に在留する場合には配偶者ビザ以外の在留資格に変更することを要します。ただし、日本人と再婚した場合には現在有する配偶者ビザのままで引き続き日本に在留することができます。
一時帰国するとき
外国人が日本を出国すると在留資格が消滅します。配偶者ビザの有する外国人が本国に一時帰国、海外旅行などで出国する際には再入国許可やみなし再入国許可を受けて出国し、再入国可能な期間内に再入国した場合には有していたビザをそのまま継続させることができます。
配偶者ビザは更新(延長)が必要
在留期間満了日の3カ月前から在留期間の更新(延長)申請をすることができます。在留期間満了日を超えてからも在留期間更新申請をせずに日本に在留した場合は不法滞在となりますので注意が必要です。
配偶者ビザへの変更申請や更新が不許可になったら
入国管理局へ配偶者ビザへの変更や、在留期間更新許可申請をすると、ハガキが届きます。そこには許可や不許可といった結果は記載されていませんが、記載内容から結果を推測することができます。
在留資格変更許可申請や更新申請が不許可になったら再申請をすることができますが、在留期間の満了日が迫っている場合や、既に在留期間の満了日を超えて特例期間に入っている場合には再申請をすることができない場合もあります。
配偶者ビザ関連記事
配偶者ビザとは まとめ
- 配偶者ビザとは在留資格のひとつで「日本人の配偶者等」の通称である
- 配偶者ビザは日本人と結婚するだけでもらえる訳ではない
- 配偶者ビザには在留期限が決められている
- 配偶者ビザの許可には真実の結婚であることの立証が重要
弊所は外国人の方の在留申請を専門に扱う行政書士事務所です。電子申請により全国の出入国管理局への申請を行います。
弊所は全国対応しており、お客様には弊所にお越し頂くことなく、すべてリモートで手続きを完結していただくことが可能です。また弊所からの(日当や交通費は発生しません)
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