転職と就労資格証明書

外国人が転職した、もしくは日本に在留していた外国人を雇用した場合。新しい職場で働くには今のビザ(在留資格)についての手続きが必要なのかを解説します。
外国人が取得している就労ビザ(在留資格)は「外国人本人」と「受入れ先の会社」の審査を経て付与されています。
したがって外国人が転職する場合は「転職後の会社」の審査は未だされていない状態です。その状態で在留期間の満了が近づいて、在留期間更新許可申請をした場合「転職後の会社」や「職務内容」が不適合だった場合はビザの更新が不許可になる可能性があります。
そういう事態を避ける方法として「就労資格証明書」があります。
「就労資格証明書」は「転職後の会社」と「転職後の職務内容」について審査を受けて、転職後も現在のビザのままで問題がないかどうか審査してもらいます。「就労資格証明書」を取得しておけば転職しても安心して働くことができます。

目次

就労資格証明書とは

「就労資格証明書」とは転職後も新しい会社で働くことができるというお墨付きのようなものです。
「就労資格証明書」は、転職先の会社名が記載されますので、次回のビザ更新の際に手続きの簡略化も期待できます。
また、現在お持ちのビザ(在留資格)では新しい会社で働くことができない場合にはその旨が「就労資格証明書」に記載されますので、その場合には前もって対応策を検討することができます。

就労資格証明書を取得できる外国人

就労資格証明書を取得することができるのは「就労することが認められている外国人」です。

・就労ビザを取得して在留する者
・身分系(特別永住者を含みます)ビザを取得して在留する者
・「留学」等の就労できないビザを取得し、資格外活動許可を受けて在留する者

就労資格証明書を取得しない場合に考えるリスク

不法就労のリスク
「就労資格証明書」を取得しない場合は転職後の職務内容が適切であるかどうかが自己判断になる為、不法就労となっていても気がつかずに、そのまま働き続けてしまう可能性があります。
そうした場合、就職先の会社も「不法就労助長罪」に問われるリスクがあります。
次回の在留期間更新許可申請が不許可となるリスク
「就労資格証明書」を取得しないまま転職をして、転職後の職務内容が不適切であった場合、次回の在留期間更新許可申請をしたとしても不許可となるリスクがあります。

このように就労ビザ(在留資格)を持っているからといって転職が自由にできるというわけではなく、不法就労や不法就労助長罪をに問われることをあらかじめ防止して、安心して外国人が働けるように「就労資格証明書」を取得しておくことは就労しようとする外国人、受入れ先の会社の双方にメリットがあります。

就労資格証明書を取得する場合の注意点

次回更新が保証されるわけではない。
在留資格証明書はあくまでも転職後の仕事ができるか、もしくはできないかを証明するものであって次回の更新が保証されているものではありません。

就労資格証明書交付申請は審査が厳しい
申請人と受入れ先の会社の双方が審査される為、新規の在留資格取得並みの書類が必要になる。

就労資格証明書交付申請から交付まで時間がかかる
「就労資格証明書」は申請してから交付まで1~3ヶ月かかります。
よって現在お持ちのビザ(在留資格)の在留期限が残り少ない場合は「就労資格証明書」の交付を受ける前にビザの期限が切れてしまうことも考えられます。
そうなった場合は「在留資格更新許可申請」をしてその中で転職後の会社での職務内容等の審査をされることになります。
無事に「在留資格更新」が許可されれば良いですが、不許可となった場合は帰国のリスクもあるため早急な対応が求められます。ですのでなるべく早い段階で「就労資格証明書」を取得しておくのが望ましいです。

就労資格証明書を申請することができる人

  • 申請人本人
    • 申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員
    • 申請人が研修又は教育を受けている機関の職員
    • 外国人が行う技能,技術又は知識を修得する活動の監理を行う団体の職員
    • 外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員
  • 地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士又は行政書士で,申請人から依頼を受けたもの
  • 申請人本人の法定代理人

就労資格証明書交付申請の必要書類

  • 旅券(パスポート)
  • 在留カード
  • 履歴書
  • 本人の転職理由書
  • 「転職前」の会社の資料
    • 源泉徴収票
    • 退職証明書
  • 「転職後」の会社の資料
    • 案内書等の会社等の概要を明らかにする資料
    • 法人登記簿謄本(発行後3ヶ月以内)
    • 直近の決算書の写し(新設会社の場合は、今後1年間の事業計画書)
  • 次のいずれかで、転職後の活動の内容、期間、地位及び報酬の記載ある文書
    • 1.雇用契約書の写し
    • 2.辞令・給与辞令の写し
    • 3.採用通知書の写し
    • 上記1~3に準ずる文書

就労資格証明書の手数料

就労資格証明書の手数料は1,200円の収入印紙で納めます。

就労資格証明書の提出先

お住まいの地域を管轄している入国管理局

A.就職前の職種と変わりが無い場合(6ヶ月以上の在留期限が残っている)

例えば「技術・人文知識・国際業務」の在留資格によってA社で通訳業務に従事していて、転職してB社でも同じく通訳業務に従事する場合に転職が決まった段階で「就労資格証明書」の交付申請をします。これは現在与えられている「技術・人文知識・国際業務」はA社で働くことを前提として取得したものなので、B社でも引き続き働くことができることを確認する為です。そして「就労資格証明書」が交付されて就労可能であることが確認できたら、そのままB社で働いて、在留更新の時期が来たら在留資格更新許可を申請します。
このように早い段階で「就労資格証明書」にて就労することの可否を確認しておくと、もしも就労することができないことが判明したとしても、別の職務内容への変更や、新たに就職先を探すといった対処をする時間ができます。
またこのケースにて【6ヶ月以上の在留期限が残っている】とした理由として、「就労資格証明書」の交付申請をしてから交付までは1ヶ月~3ヶ月を要します。この6ヶ月はあくまでも目安です、例えば在留期限が残り1ヶ月の時点で「就労資格証明書」の交付申請をしたとすると「就労資格証明書」の申請中に更新を迎えてしまい、せっかく申請した「就労資格証明書」交付申請が無駄になってしまうからです。

B.就職前の職種と変わりが無い場合(残りの在留期限が6ヶ月以下)

例えばA社でプログラマーに従事していて、転職してB社でも同じくプログラマーで従事する場合に転職が決まった段階で現在取得している在留期限が6ヶ月以下の場合、上記で説明したとおり「就労資格証明書」交付申請が無駄になる可能性がある為「就労資格証明書」交付申請をせずに、在留期限が残り3ヶ月を切ったあたりで在留期間更新申請をする方向で検討します。
この場合はB社及びB社での職務内容を在留期間更新申請の中で初めて審査されることになり、いきなり不許可となる可能性もあり、前もって「就労資格証明書」で確認しておくよりもリスクがあります。

就職前の職種と変わる場合

就職前の職種と変わる場合は2つのケースが考えられます。

C.現在お持ちのビザ(在留資格)の範囲内で職務内容が変わる場合

例えば「技術・人文知識・国際業務」のビザ(在留資格)をお持ちの場合にA社では「通訳」に従事しており、転職後は「プログラマー」に従事する場合。
「通訳」は「技術・人文知識・国際業務」の国際業務のカテゴリにあたります。そして「プログラマー」は「技術」カテゴリです。この場合カテゴリは違いますが現在のビザ(在留資格)範囲内での活動となるので「在留期間更新許可」の申請をすることになります。
注意するポイントは、上記【A】と同じく在留期限に余裕がある場合は「就労資格証明書」を取得しておくと安心です。

D.現在お持ちのビザ(在留資格)の範囲外の職務内容に変わる場合

例えば「技術・人文知識・国際業務」から「経営・管理」ビザ(在留資格)に転職する場合。この場合は事前に「在留資格変更許可申請」をする必要があります。
また、「在留期間更新」と違い「在留資格変更」は必ず事前に「在留資格変更許可」を得ておく必要があります。
「在留資格変更許可」を得る前に新しい仕事を開始してしまうと、資格外活動とみなされ「在留資格変更」が不許可となったり、在留資格の取消となる可能性がありますので注意が必要です。

※上記A~Cのケースでは転職後14日以内に入国管理局に「所属機関の変更」の届出が必要となります。

就労資格証明書の取得は弊所にお任せください

弊所は外国人の在留申請を専門に扱う行政書士事務所です。外国人を雇用する企業様、転職をご希望の外国人の方、ぜひご相談ください。

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