ワーキングホリデー中に結婚し帰国することなく日本に住むことができますか?

本記事は行政書士西田直之が作成しました。
日本人と結婚した外国人は配偶者ビザを取得することができます。ワーキングホリデー(特定活動告知5号)で日本に在留中の方が日本人と結婚した場合も配偶者ビザを取得することができますが、国籍によって手続きが異なります。
ワーキングホリデーから配偶者ビザへの変更
ワーキングホリデー(特定活動告知5号)で来日中に日本人と結婚し、配偶者ビザを取得しようとする場合には一旦帰国を要する場合と、帰国することなくそのまま配偶者ビザへ変更することができる場合があります。
相手国との協定内容による
現在日本とワーキングホリデーについて30か国(令和7年1月1日時点)との間で実施されています。しかし多くの国との間の協定では「ワーキングホリデー滞在期間終了後に日本を離れる予定であること」とされており日本滞在中に他のビザへ変更し、引き続き日本に滞在することが認められていません。
次の5か国との協定にはワーキングホリデーの滞在期間終了後に日本を離れる旨の内容が交わされていません。
- オーストラリア
- カナダ
- 韓国
- ニュージーランド
- ドイツ
上記国籍の方は配偶者ビザへの在留資格変更許可申請をすることができます。
在留資格変更のタイミング
ワーキングホリデーの在留期間内であれば配偶者ビザへの在留資格変更許可申請をすることができます。また審査中にワーキングホリデーの在留期間が満了したとしても在留期間の特例の対象になりますので引き続き在留することができます。
配偶者ビザへの在留資格変更許可申請には結婚証明書の提出が求められます。したがって先に両国で結婚が成立していることを要します。
ワーキングホリデーの在留期間満了までに在留資格変更許可申請をすることができない場合は一旦帰国することになります。
これまでの日本での在留状況も影響します
ワーキングホリデーから配偶者ビザに変更しようとするときは、これまでに日本のルールにしたがって在留していたかどうかも審査対象になります。例えば、風俗営業に従事していたり、税金の未納がある場合です。
配偶者ビザへの変更ができない場合
ワーキングホリデーで日本に滞在中に配偶者ビザへの変更ができない場合には、新規で外国人を日本に呼び寄せる手続きである「在留資格認定証明書(COE)交付申請」を行い、COEが交付された後に本国で査証を取得し再度日本に入国します。
在留資格認定証明書(COE)交付申請のタイミング
在留資格認定証明書(COE)交付申請は日本に滞在中、本国に帰国後どちらでも申請することができます。ただし、COEには有効期限があり、交付から3ヶ月以内に日本に入国することを要します。
査証発給申請
COEが交付されたら本国にある日本大使館や領事館で査証発給申請を行います。
配偶者ビザ取得にあたって知っておきたいこと
在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請をし、配偶者ビザをもらうためには厳格な審査を通過しなければいけません。結婚届も提出し、結婚が成立していれば簡単に配偶者ビザがもらえると思われがちですが、意外にも審査は厳格です。
真実の結婚であるかどうか
婚姻届けには厳格な審査はなく、必要事項を記入し届出が受理されると基本的には結婚が成立します。しかし配偶者ビザの審査では真実の結婚であるか、つまり「偽装結婚ではないか」を審査されます。
ワーキングホリデー中に日本人と知り合い、結婚に至った方の多くが知り合ってから結婚するまでの交際期間が比較的短いのではないでしょうか。知り合ってから結婚するまでの期間が短い場合にも偽装結婚を疑われる可能性がある事情となります。この場合には通常よりも多く立証資料を提出し、偽装結婚ではないことを主張することを要します。
日本で生活できる収入や資産が求められる
たとえ日本人との結婚が成立していたとしても日本で生活していくことができるだけの経済力や資産を有していないと配偶者ビザの許可をもらうことができません。
外国人配偶者自身に収入や資産がない場合であっても日本人側に収入や資産があれば問題ありません。
専門家のサポート
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