外国人が飲食店を開業して経営管理ビザを取る方法

外国人が日本で飲食店を開業して経営する為には経営管理ビザが必要となります。この記事では外国人が日本で飲食店を経営して経営管理ビザを取得するまでの流れや注意点について解説します。
経営管理ビザを取得することができる飲食店の形態
技能ビザを持つ外国人はインド料理、ベトナム料理、ネパール料理、中華料理等で働くことができますが、経営管理ビザを取得することができる料理店はこれらの技能ビザで働くことができる業態の飲食店にとどまらず、違法な店舗でなければその業態は問われません。
経営管理ビザの経営者は基本的に現業をすることができません
飲食店の経営には調理を担当するスタッフや接客、配膳を担当するスタッフの確保を要しますが、基本的に経営管理ビザをもって経営する外国人自らこれらの現業を行うことはできません。経営管理ビザの申請では経営者とは別にスタッフを確保して経営者が自ら現業を行わないことの立証を要します。
- 経営管理ビザ申請までに従業員の確保が必要?
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新しく経営管理ビザを取得する場合は従業員を採用する予定であることを説明すれば足ります。だだし、事業開始までには必ず従業員を確保しておかなければいけません。従業員を確保せずに事業を行っていると次回の更新が難しいです。
- 従業員はアルバイトでも良い?
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資本金を500万円以上出資している場合にはパート、アルバイトの雇用形態でスタッフを雇うことができます。また外国人であってもその活動の範囲内で雇用することができます。
- 従業員は何人雇用しなければいけない?
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飲食店で経営管理ビザを取るために必要な人数は明確に定められているわけではありません。そのポイントはお店の規模や営業時間に照らし合わせて労働基準法の範囲内でシフトを組めるような人数が必要になります。実際には最低でも調理係とホール係に1名ずつは必要になると考えられますが、休憩時間や休日を適切に取るためには数人でシフトを組めるような体制づくりが理想です。
外国人が料理店を経営する場合に必要となる許認可
経営管理ビザで飲食店を開業するためには保健所で「飲食店営業許可」を取得しなければいけません。またテイクアウトをさせるような場合には別途許可が必要になります。そしてお店の規模によっては防火責任者の資格を要します。
飲食店営業許可申請手続きの流れ
飲食店営業許可を取得するまでの手続きの流れについて説明します。
食品衛生責任者を設置する
飲食店営業許可を取得するには食品衛生責任者を置く必要があります。食品衛生責任者になることができるのは下記に該当する方です。
・食品衛生管理者又は食品衛生監視員になることができる資格を有する者
・栄養士の免許を有する者
・調理師の免許を有する者
・製菓衛生師の免許を有する者
・食鳥処理衛生管理者の資格を有する者
・船舶料理士の免許を有する者
・衛生講習会を受講した者
飲食店営業許可申請
飲食店営業許可申請に必要な書類を準備して管轄の保健所に申請します。地域によってルールが多少異なります。また工事着工後に基準に適合していないことが分かった場合は手直しを要しますので事前に保健所と相談しておくとスムーズにすすめることができるでしょう。
申請後は保健所の立ち入り検査がありますので、検査日までに規定の設備を設置し終えていることを要します。検査の結果、問題なければ営業許可証が交付されます。
居抜き物件の活用
経営管理ビザを取って営業を開始することができたとしても赤字が続き、経営状態が悪くなって債務超過になると経営管理ビザの更新が難しくなります。そこで、居抜き物件を活用することで初期費用を抑えることができます。
店舗物件は原則スケルトンの状態で引き渡しを受け、返すときはまたスケルトンの状態にして返します。それに対して居抜き物件は店舗内の内装や備品が残っている状態の物件をいいます。また、厨房だけ残っている物件や天井・壁・床だけ残っている状態の物件などもあります。
居抜き物件探しのポイント
- 調理スペースはそのまま使えるか
- 居抜き物件のメリットを最大限に活かすためになるべく改修をせずに使えるような調理スペースが設置されている物件を探す。
- 設計図が残っているか
- 設計図が無い場合には電気・ガス・水道などは壁に隠れているため、どこに配置されているかわかりません。壁を開けてみたら、想定外の位置に配置されていた。なんてことも起こるかもしれません。
居抜き物件であっても営業許可は必要
居抜き物件で前のオーナーが飲食店営業許可を取っていたとしても、新しくお店を開業するオーナーは営業許可を取る必要があります。また、前のオーナーが営業許可を取っていたとしても今回はそのままの状態で許可が下りるとは限りません。
賃貸契約の注意点
飲食店で経営管理ビザを取得する場合には店舗と事務所それぞれ独立したスペースが必要となります。店舗と事務所が別棟の建物であれば問題ありませんが、例えば店舗内のレジカウンターのスペースで事務を行うようなケースは認められません。店舗内で事務を行う場合には必ず壁によって区切られたスペース内で事務を行う必要があります。
事業計画書作成のポイント
経営管理ビザの申請では事業計画書の提出が必要です。その記載内容は飲食店ならではのものがあります。
売上計画
売上計画を立てるにはいくつかの要素を計算式に当てはめて売上を算出します。
計算式の例
客単価×客席数×客席稼働率×客席回転数=売上
客単価
客1人につき支払う価格を設定します。
客席数
実際に店舗に配置されている客席数です
客席稼働率
客席の稼働状況を表します。例えば4人用テーブルに3人座った場合には客席稼働率は75%となります。
客席回転数
その設定時間内で席が何回使用されたか、つまり客が何回入れ替わったを表します。
これらを計算式にあてはめて1日の売り上げを算出し、更に毎月の売上を算出します。また、時間や曜日によって設定値を変えることによってより詳細な売上計画を立てることができます。
経費の算出
食材費、水道光熱費、通信料、人件費等を合算して経費を算出します。従業員の社会保険料等もここに入ります。
利益の算出
売上から経費を差し引いて利益を算出します。ここで思ったような利益が出ない場合には再度売上計画を考え直すことになります。
まとめ
飲食店の経営をご計画の外国人にとって経営管理ビザを取得するまでの流れは複雑です。また先に事業への投資が必要になりますで、誤った方法ですすめてしまうとやり直しの為に費用がかかる恐れもあります。弊所はビザ専門行政書士事務所です。営業許可の取得から経営管理ビザの取得まで弊所にすべておまかせください。