就労ビザから配偶者ビザへの変更

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日本で働く外国人と結婚した場合の就労ビザから配偶者ビザへの変更手続きについて解説します。

本記事は行政書士西田直之が執筆いたしました。事務所案内

就労ビザの外国人
目次

就労ビザから配偶者ビザへの変更は必ず必要?

就労ビザとは日本で就労するための在留資格の総称でその活動内容によってそれぞれ在留資格の名称があります。

就労ビザの種類

参考:出入国在留管理庁

就労ビザを有する外国人は一部のビザを除き、日本人と結婚をすることによって配偶者ビザへの変更が可能になります。ただし、就労ビザから配偶者ビザへの変更は必須というわけではありません。

多くの場合、日本人と結婚した外国人は就労ビザから配偶者ビザへの変更を行っています。その理由としては就労活動に制限が無くなることや、仕事を辞めたとしても日本に在留し続けることができる為です。

在留期間があと数年残っていて仕事も継続するような場合には就労ビザの在留期間の満了が近づいてから配偶者ビザに変更を行う方法もあります。

また、仕事を辞めた場合には就労ビザから配偶者ビザへの変更が必須となります。

このように、ご自身の状況と照らし合わせながら配偶者ビザへの変更を検討することを要します。

在留資格変更許可申請が必要

就労ビザから配偶者ビザへの切り替えるには在留資格変更許可申請を要します。

在留資格変更許可申請書

就労ビザから配偶者ビザへの変更手続きの概要。

申請の概要

必要な申請在留資格変更許可申請
いつから申請できる?お互いの国で結婚が成立後
どこに申請する?住居地を管轄する地方出入国在留管理局
手数料収入印紙4000円
審査期間1~3カ月
申請を提出することができる人外国人本人
法定代理人
取次者
就労ビザから配偶者ビザ
就労ビザから配偶者ビザへの変更に必要な書類

就労ビザから配偶者ビザへの変更に必要な書類は出入国管理庁のホームページに掲載されています。

注意点

下記のような状況にある場合には在留不良と見なされ、配偶者ビザの審査に影響します。

在留資格の範囲内での就労付与された就労ビザで認められた範囲を超えた就労活動を行っていないか
無許可での副業副業で認められた活動以外の就労を無許可で行っていないか
退職の有無退職後3カ月以上就労ビザでの活動を行わない場合には在留資格取り消しの可能性があります
注意点

その他不許可になりやすい事例についてはこちらをご覧ください。

技能実習ビザから配偶者ビザへの変更

技能実習ビザから配偶者ビザ

外国人技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としております。

出典:厚生労働省ホームページ

上記記載のように、技能実習制度は日本の技能、技術や知識を外国人の本国に移転することが目的です。したがいまして本国に帰らずに日本で生活し続けることは技能実習の趣旨と異なる為、技能実習ビザから配偶者ビザへの変更は原則認められていません。

ただし、100%認められないということではなく、管理組合や受入れ機関の承諾を得ている場合には配偶者ビザへの変更が許可される可能性があります。

就労ビザから配偶者ビザへ変更のポイント

就労ビザから配偶者ビザ審査ポイント

就労ビザから配偶者ビザに変更する際の審査ポイントは以下のような事があります。

  • お互いの国で結婚が成立していること
  • 真実の結婚であることの立証
  • 日本での生計を立証

お互いの国で結婚が成立していること

就労ビザから配偶者ビザへの変更をしようとするときは先に結婚の手続きを行うことを要します。また日本での結婚手続きだけでなく外国人側の国においても結婚が成立していることを要します。

真実の結婚であることの立証

配偶者ビザへの変更が許可されるためには結婚が成立している事に加えて実体上の婚姻関係が存在することを立証することが必要となります。つまり、配偶者ビザの審査は法律上は結婚が成立していたとしても、それのみをもって許可を受けることができず、実体上の婚姻の事実を立証することができない場合には許可をもらえません。立証には下記のような書類を作成します。

  • 質問書
  • 出会から結婚までの経緯を詳細に説明した理由書
  • スナップ写真
  • LINEなどSNSの会話記録

日本での生計を立証

就労ビザから配偶者ビザへ変更するためには日本で生活することができるだけの経済力を立証することを要します。入管の審査では毎月の年収だけでなく、資産や預金も含めて総合的に判断されます。また、夫婦双方に経済力があることを求められているのではなく、例えば夫婦の一方のみ職に就いているといった場合であっても主たる生計者の収入があることで許可の可能性があります。

この生計要件は高い生活水準を維持できるだけの経済力までは求められていません。生活できるだけの最低限あれば良いとされています、よって就労ビザで正規雇用されている方は概ね生計要件をクリアできると考えられます。

生計の証明をする際に提出する基本的な資料が「住民税の課税証明書・納税証明書」になります。

収入が少ない場合

もしも収入が少ない場合には収入以外の資産で生計を証明することを要します。貯蓄が有る場合にはその通帳のコピーを提出します。また持ち家の場合には家賃がかかりませんので収入が少ない場合であっても許可をもらえる可能性があります。

預金通帳

また、生計を同じとするご両親による援助がある場合には収入が低くても許可をもらえる可能性があります。

就労ビザから配偶者ビザへの変更が不許可になった場合

就労ビザから配偶者ビザへの変更が不許可になった場合には再申請を行うことが可能です。ただし、残りの在留期間が少ない場合には入管から特定活動(出国準備)への変更を勧められます。この時付与される在留期間が30日の場合と31日の場合では今後の再申請に与える影響が異なります。

30日31日
在留期間の特例が適用されない為、再申請したとしても在留期間内に結果が出なければ出国しなければいけない。在留期間の特例が適用される。在留期間内に再申請が受理されれば在留期間満了後も特例期間内は在留可能。
在留期間の特例

参考:出入国管理及び難民認定法第20条第6項

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