離婚して間もない外国人と結婚した場合の手続き

この記事は行政書士西田直之が作成しました。

この記事では離婚して間もない外国人と結婚した際に必要となる手続きについて解説します。外国人と結婚したが手続きは何が必要になるのかわからない方のご参考になれば幸いです。

目次

離婚して間もない外国人と結婚した際に必要なビザの知識

日本で適法に活動する外国人はビザ(在留資格)を有しており、ビザの内容ごとに行うことができる活動が定められています。外国人が離婚し、その後再婚した場合にビザに関する手続きについて何をしなければいけないのか、について検討することを要します。

在留資格について

在留資格とは外国人が日本で活動する為に付与された資格で、世間一般では「ビザ」と呼ばれています(ビザは正式な名称ではございません。)

離婚した外国人と結婚した場合には在留資格について下記の事を検討します。

  • 在留資格を変更しなければいけないのか
  • 在留期間を延長(更新)しなければいけないのか
  • 在留資格については当面の間は手続きが扶養なのか

これらのうち何が必要になるかは外国人パートナーが有する在留カードから概ね判断することができます。

在留資格が「日本人の配偶者等」の場合

在留資格「日本人の配偶者等」は日本人と結婚することによって付与されます。前婚の相手が日本人であった場合には多くの場合、「日本人の配偶者等」を有しています。

結婚相手が日本人の配偶者等を有している場合にはその在留期間を確認してあげてください。在留期間の満了日まで3ヶ月以上ある場合は、ひとまず在留資格に関する申請はしなくても大丈夫です。

在留カード

在留期間の満了日から3ヶ月より在留期間の更新を申請することができます。在留期間の更新申請ができるようになったタイミングで在留期間更新許可申請をして在留期間を延長します。更新が許可されると新しい在留カードが交付され、次回の在留期間満了日までは日本に在留する事ができます。

永住者の配偶者等

在留資格「永住者の配偶者等」は永住資格を有する外国人と結婚することによって付与されます。「永住者の配偶者等」を有する外国人が離婚をし、その後日本人と結婚した場合には「日本人の配偶者等」への変更を要します。

※もし「日本人の配偶者等」以外の在留資格に変更することができる場合は必ずしも「日本人の配偶者等」への変更が必要ではありません。

家族滞在

在留資格「家族滞在」とは就労ビザで働く外国人が配偶者や子と日本で暮らすための在留資格です。「家族滞在」を有する外国人が離婚した場合には、「家族滞在」の在留資格に該当しなくなるため、離婚後に日本人と結婚した場合は「日本人の配偶者等」への変更が必要となります。

※もし「日本人の配偶者等」以外の在留資格に変更することができる場合は必ずしも「日本人の配偶者等」への変更が必要ではありません。

就労系在留資格

就労系在留資格は日本で働くための在留資格です。就労系在留資格はいくつかの種類に分類されており、従事する職務内容によって在留資格の名称が異なります。例えば「技術・人文知識・国際業務」や「経営管理」、「特定技能」が就労資格です。就労資格を持つ外国人はその在留期間が満了するまでは変更や更新が必須ではありませんが、「日本人の配偶者等」に変更すると就労しやすくなったり、永住権を取りやすくなるなどのメリットがあるため、多くの場合「日本人の配偶者等」へ変更を選択されます。

また、「技能実習」を有する外国人が日本人と結婚したとしても原則として「日本人の配偶者等」に変更することはできず、一旦本国に帰ってから再度日本に招へいすることになります。

在留資格の取り消しに注意

結婚予定の外国人が「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」である場合には、離婚をするとその在留資格に該当しなくなり、正当な理由が無く6ヶ月経過すると在留資格の取り消し対象になります。また「家族滞在」であった場合には3ヶ月経過で取り消し対象となります。

上記期間を経過すると直ちに在留資格が取り消されるとは限りませんが、この状態で在留期間更新申請や在留資格変更許可申請を行うと審査に影響を及ぼします。

離婚して間もない外国人と結婚した場合の在留資格更新許可申請

離婚して間もない外国人と結婚した際の在留資格「日本人の配偶者等」を更新する方法について解説します。

申請場所

居住地を管轄する出入国管理局へ申請します。

申請書を出入国在留管理局へ提出することができる人

基本的には結婚相手である外国人が提出することができます。日本人配偶者が代理で提出することはできません。

取次行政書士や弁護士からも申請書を提出することができます。

必要書類

「在留期間更新許可申請」に必要な書類は出入国管理局のサイトで閲覧することができますが、配偶者と離婚した事実を考慮した内容ではないため、サイトに掲載されている書類だけ収集して提出しただけでは足りません。

離婚して間もない外国人が結婚した場合はの在留期間更新許可申請には「日本人の配偶者等」を新規で取得する際の「在留資格認定証明書交付申請」と同程度の書類が必要となります。

  • 住民税の課税証明書・納税証明書
  • 戸籍謄本
  • 住民票
  • 身元保証書

離婚した外国人が再婚する場合には上記に加えて次のような書類も必要になります。

  • 質問書
  • 申請人の本国で発行された結婚証明書
  • スナップ写真・SNS記録

※必要な書類は個別の状況によって異なりますので、ここで挙げる書類は一例だとお考えください。

申請のタイミング

在留期間の満了する概ね3か月前から在留期間満了日までの間は申請可能です。ただし、在留期間満了日の当日はオンライン申請をすることができません。

更新は必ず許可されるとは限らない

離婚して間もない外国人が日本人と再婚した際の在留資格更新許可は簡単ではありません。たとえ法律上は結婚が成立していたとしても許可をもらえないことがあります。つまり、結婚の成立は日本人の配偶者等を更新する為の条件の1つにすぎず、その他の要件をクリアしていないと許可はもらえません。

以下の事情に該当する場合には審査が厳しくなるケースの例

  • 離婚回数が多い
  • 年齢差が大きい
  • 不倫状態からの再婚
  • 過去の在留状況に問題がある
  • 再婚までに実際に会った回数が少ない
  • 交際期間が極端に短い
  • 夜のお店で仕事している

これらの例に該当している方は審査が厳しくなり、不許可になる可能性も高まります。また上記の例はごく一部であって、その他にいくつもの不許可の可能性が高まるケースがあります。

審査が厳しくなる理由

出入国管理局の審査では上記のような事情に該当していると偽装結婚の疑いを抱かれる可能性があります。その場合には簡単には許可はもらうことができず、追加で説明や資料の提出を求められることも珍しくありません。

説明がうまくできない場合や入管が求める資料を提出できなかった場合には不許可になる可能性が高まります。

弊所でサポートさせて頂く際は、出入国管理局の審査官の目線で偽装結婚ではないことを「わかりやすくシンプル」に書類を作成し、スムーズな審査に繋げます。

各種届出を怠っていませんか

外国人が離婚した場合には在留資格に関する申請以外に届出が必要となります。

離婚した場合配偶者に関する届出
死別した場合配偶者に関する届出
住居地を変更した場合住居地の変更届出

まとめ

離婚して間もない外国人と結婚する際に必要な在留資格についての手続きをするためには数多くの注意点があります。また在留資格の更新が不許可になった場合には本国に帰ることになるため、失敗をすることができません。

弊所は在留資格に関する手続きを専門に扱う行政書士事務所です。

オンライン申請で全国の出入国在留管理局への申請をすることができます。またご来所していただくことなく遠隔で面談から申請、結果通知まで行います。全国からご相談ください。

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