【配偶者ビザ】離婚したら?日本に在留したい方がすべきこと

この記事は行政書士にしだ事務所が作成しました。
本記事では配偶者ビザを有する外国人が離婚したらどうなるのか?このまま日本に住み続けたい。とお考えの方が離婚後にすべきことについて解説します。
離婚後も日本に在留するため知っておきたいこと
配偶者ビザを有する外国人が離婚後も日本に在留し続けるためには届出や在留資格に関する申請が必要となり、本人の状況によって必要な手続きが異なります。
残りの在留期間について
配偶者ビザを有する外国人が離婚したら在留資格「日本人の配偶者等」に該当しなくなります。在留期間が残っている場合は直ちに出国する必要はありませんが、離婚・死別してから正当な理由なく6ヶ月経過すると在留資格の取消し対象になります。
例えば離婚した時点で在留期限があと2年残されていたとしても離婚から正当な理由なく6ヶ月経過すると在留資格取消しの対象となります。6ヶ月経過で直ちに在留資格が取り消されるとは限りませんが、離婚した際は速やかに対処することを要します。
【必須】配偶者に関する届出
配偶者ビザで日本に在留する外国人が離婚や死別をしたら14日以内に出入国在留管理局へ「配偶者に関する届出」をしなければなりません。
「配偶者に関する届出」を怠った場合は入管法第71条の5第3号の規定により20万円以下の罰金が科せられる可能性があります。また今後、在留申請をした時の審査にも影響しますので届出は確実に行うようにしましょう。

「配偶者に関する届出」は次の方法で行うことができます
- オンライン
- 最寄りの出入国在留管理局へ持参
- 郵送
手続きの詳細は出入国在留管理庁をご覧ください。
離婚後も引き続き在留するには
離婚した方が日本で引き続き暮らしたい・本国に帰りたくない。という方は、離婚したら早急に今後のビザについて検討する必要があります。
| 必要な在留申請 | 問題点 |
|---|---|
| 配偶者ビザの更新をする | 日本人や永住者と再婚を要します |
| 就労ビザに変更する | 起業や就職を要します |
| 留学ビザに変更する | 各学校への入学を要します |
| 定住者ビザに変更する | 子の親権を有し、養育している場合を除いては非常に難しい |
①再婚する
再婚のご予定がある場合は、まずは国際結婚の手続きをして現在の配偶者ビザの在留期間満了のタイミングにあわせて「在留資格更新許可申請」をします。この場合、通常の更新許可申請と違い、新規に配偶者ビザを取得する場合と同等の審査をされることになります。
②就労ビザに変更する
「技術・人文知識・国際業務」や「技能」、「経営管理」などの就労ビザが取れるような職に就けるかどうかを検討します。学歴や実務経験がある場合は「「技術・人文知識・国際業務」や「技能」。会社を経営する場合は「経営管理」に変更します。
上記就労ビザに変更することも難しい場合には、「特定技能ビザ」への変更をすることも考慮して「技能評価試験」を受けておくという手段もあります。
③留学ビザに変更する
留学生として在学中である場合は「留学」に変更します。またこれから学校へ入学される方も同様に「留学」に変更します。
④定住者ビザに変更
配偶者と離婚や死別したら、下記の要件を満たすことによって「定住者ビザ」に変更をすることができる可能性があります。
| 定住者(子がいない場合) | 定住者(日本人の実子を扶養する場合) | |
|---|---|---|
| 主な要件 | 配偶者の死亡までの直前のおおむね3年以上、日本において正常な婚姻関係・家庭生活が継続していたこと 生計を営むに足りる資産又は技能を有すること 日常生活に不自由しない日本語能力を有しており、通常の社会生活を営むことができること 公的義務(納税等)を履行又は履行が見込まれること 在留を希望する合理的理由があること | 生計を営むに足りる資産又は技能を有すること 日本人の実子の親権者であること 現に相当期間当該実子を監護・養育していることが認められること |
| 許可難易度 | 許可が難しい | 許可が出やすい |
告示外定住(離婚・死別定住)
- 配偶者の死亡までの直前のおおむね3年以上、日本において正常な婚姻関係・家庭生活が継続していたこと。
- 生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。
- 日常生活に不自由しない日本語能力を有しており、通常の社会生活を営むことができること
- 公的義務(納税等)を履行又は履行が見込まれること
- 在留を希望する合理的理由があること
※離婚の原因が家庭内暴力、浮気、ギャンブルによる借金、性的な変態行為や不能等が原因で離婚に至った場合は、
定住者ビザの取得により有利にはたらきます。
- 申請書
- 申請人の戸籍謄本
- 離婚届出受理証明書
- 申請人及び主たる生計維持者の金通帳の写し又は預貯金残高証明書
- 申請人及び主たる生計維持者雇用契約書、内定通知書、労働条件通知書等
- 申請人及び主たる生計維持者の在職証明書(自営業の場合は確定申告書・営業許可書の写し)
- 申請人及び主たる生計維持者直近年度の住民税の課税(非課税)証明書及び納税証明書
- 身元保証書
- 住民票(世帯全員のもの)
- 理由書
子が居ない場合の告示外定住者について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
日本人実子扶養定住
日本人、永住者、特別永住者との間に出生した子を日本国内で親権をもって養育している場合は、出入国在留管理局の審査がより積極的に取り扱われ、結婚生活が3年未満であっても許可を受けることが可能です。(平成8年7月30日法務省入国管理局長通達)
- 生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
- 日本人との間に出生した子を看護・養育している者であって、次のいずれにも該当すること
- 日本人の実子の親権者であること
- 現に相当期間当該実施を看護・養育していることが認められること
「生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」についても審査が緩やかになされ、外国人親に稼働を困難とする事情があり、当該事情を考慮して生活保護等が支給されている場合であっても、将来的には稼働の意思を有し、かつ日本人の実子を監護養育している事実が確認できれば、生計維持能力が十分でなくても「定住者」をもらえる可能性があります。
- 申請書
- 日本人実子の戸籍謄本
- 申請人及び主たる生計維持者の金通帳の写し又は預貯金残高証明書
- 申請人及び主たる生計維持者雇用契約書、内定通知書、労働条件通知書等
- 申請人及び主たる生計維持者の在職証明書(自営業の場合は確定申告書・営業許可書の写し)
- 申請人及び主たる生計維持者直近年度の住民税の課税(非課税)証明書及び納税証明書
- 身元保証書
- 住民票(世帯全員のもの)
- 理由書
私たち行政書士事務所にできること
弊所はビザに関する手続きを専門に扱っております。離婚してからも日本に在留し続けるためにするべき事は、ご本人の状況によって様々です。
手遅れになる前に手続きを完結させたい、ご自身でするのが不安、といった方是非弊所のサポートをご利用ください。

